春の舞台、秋の音楽会。
毎年のお楽しみの美輪様の舞台。
今年は久しぶりに「葵上・卒塔婆小町」でした。
どちらも女性の悲しい性をテーマにした舞台でしたが、席がとてもよかったので、以前も観ていたものの、また新たな発見と新鮮味を感じつつ観劇できました。
「葵上」は皆さんもご存じの通り、源氏物語がベースのもので、六条御息所が源氏の正妻である葵上に嫉妬して自分でも気付かないうちに源氏を思う気持ちの激しさゆえに生霊になってしまい、夜な夜な葵上を苦しめ、遂には呪い殺してしまう、という悲劇ですが、何とも言えない人間の思いの強さ、愚かさを感じつつも、
「思い・言葉・行動」はどれであっても、カルマになるのだということを実感しました。
そして「卒塔婆小町」
こちらは美しく生まれたが故に罰を受けるという悲劇。
この世の陰と陽、まさに正負がテーマの作品です。
これはある意味、若かりし頃の美輪様ご自身の人生とオーバーラップするようで、本当に幻想的で美しくも哀しい作品でした。
以前「
不幸のルール」で「人を羨む人」ということをご紹介しましたが、
まさにこのことですね。
人を羨ましいと思う時はその人の裏にある苦労までも受け止めて羨ましいと思えるかどうか、そこが大事で、表側だけ見て思っている限り幸せになれませんよ、ということでした。
絶世の美女に生まれても、その努力なしの正には必ず負が付きまとうのです。
だからこそ、いつも負という努力を先に払うからこそ、
その結果として安心して受け取れる正がやってくる、ということですね。
凡人だからこそ、努力をしなくては何の結果も出やしません。
日々、毎日に思いを込めて、知識ではなく実践で生きていかなければ、と強く思いました。
こんなご時世だからこそ、素晴らしい芸術に触れて人は何のために生きているのか、を再確認したいですね。
話は変わって、美輪様の声ですが、本当に素敵です。
まるで音楽のような話し方ですが、すべてこれも努力のたまものですね。
日本語はカクカクした発音なので、優雅に話すということがなかなか難しいのですが、
意識して綺麗な日本語を話せるようになりたいです。