今日のお話は私が「いち阿部典史ファン」としてのまったく個人的なものですので、どうかお許しくださいませ。
秋晴れで気持ちよかっ昨日、夜になって急に飛び込んできた悲報。
「伝説のライダー」阿部典史さんが事故死
最初何のことかわからず、その言葉を理解するまで時間がかかりました。
Norickこと阿部典史選手は私にとって特別なライダーです。
というのも、彼のアグレッシブルな走りを見てバイクレースというスポーツを知り、
彼の走りをライヴで見たことによってこのスポーツが好きになり、
彼の歴史を知り、パドックで彼に会うことによってその素晴らしい人柄、プロ意識に惹かれ、私はmotoGPという世界のとりこになりました。
彼ほど笑顔が似合う人を私は知りません。
7日の事故は、片側二車線の市道をNorickが乗ったオートバイが車線右側を走行中、前方車線左側を走行中のトラックがいきなりUターンし、それを避けきれず衝突、Norickは反対側車線歩道近くまで放り出された、というもの。
もちろんこの道路はUターン禁止。そしてこの殺人犯であるトラック運転手は「道に迷っていた、道をまちがえて引き返そうとした」とのこと。
あまりのショックで昨夜から涙も出ず、今日一日を過ごしました。いつものフランス語のレッスンの後、パートナーと川崎の事故現場に献花に行ってきました。
たくさんのファンがこの場を訪れ、それぞれが飾った彼の遺影にはどれも素敵な笑顔が見られました。
私の中では今まで頭で理解していたものの、ようやく体とつながり、彼の残した気持ちが手に取るようにわかり、涙が後から後からあふれ、悲しみ、ではなく悔しさの涙がとまりませんでした。
横断歩道があっても、そこに信号がないようなのんびりした静かな街の道路に過ぎません。何でこんなところで、後方確認もせず、禁止されているUターンをいきなりすることの危険性を想像もできないような身勝手なドライバーの行動によってNorickは犠牲にならなければならなかったのか。
残されたご家族のことを思うといたたまれません。
愛するものを残して自身の望まぬ旅立ちをしなくてはならないのですから。
というのも、私自身ももう5年ほど前になるでしょうか、パートナーの前方を走っていた車が後方確認をせずにありえない車線変更をし、それに巻き込まれる、というもらい事故に遭い、その際頭を強く打った彼が記憶障害になり言葉では言い表せないような、恐ろしい思いをしたことがあるからなのです。
まだ感情ではなかなか受け止めきれない思いを持ったままですが、
彼が今まで日本だけでなく、世界に与えた影響、功績、そして世界的なGPレーサーでありながら一人の心無い人間によって公道で人生の幕を降ろされてしまったこと、
哀しむことだけでなく、私に何ができるか、Norickを知ることのできた私はこれからどうすればいいのか、深く深く考え消化し、実践していかなければなりません。
私は心からの感謝の気持ちをこめて「ありがとう」と「お疲れ様」を。
そしてまた、「そちらでお逢いしましょうね」と言ってその場を後にしました。
Norick公式HP:http://www.norickabe.com/