このところみたかった映画をやっと観ることができて、これまたなかなか良いものだったので、1本づつコメントをかこうかな、と思っています。忘れてしまうといけないので、3日連続してかけるといいのですが・・・。
今回は「Little Miss Sunshine」(ネタバレしてます)
先日、アカデミー賞助演女優部門にノミネートされたあの眼鏡っ子ちゃん(アビゲイル・ブレスリン)の映画です。
話としては子供のミスコンの決勝戦に出場するために家族総出でアリゾナからカリフォルニアまでワーゲンのポンコツミニバスで出かける間にいろいろな出来事があり、ばらばらだった家族がひとつになっていく、というちょっと話の展開に無理があるよな〜とも思える作品なのですが・・・。
祖父(父親の父)はヘロイン常用のせいで老人ホームを追い出されたポルノ雑誌大好きの快楽主義の頑固者。
父親は人生勝ち組にならなければ意味がない、勝たなければ意味がないと理想論だけ並べ、自己啓発暗示から抜け出せず、自らが作った自己啓発システムを売り込み出版しようとするが、叶わず現実が見えていない困ったちゃん。
母親は煙草をやめられず隠れて吸い、料理は毎日ファーストフードのチキンのセットというお粗末振り。
兄はニーチェ信者で人を嫌い、パイロットになるまで誰とも口を利かないと誓い、筆談を続けたものの、色覚異常が発覚。
そしてヒロインの子供はミスコン優勝を夢見る田舎っ子。
という個性豊かでなおかつ皆何か欠点があって、等身大で生きている、という設定。なかなか興味深い台詞や、味わい深い場面もありました。
特に、「常に勝ち組になれ、勝たなければ意味がない」を口にする父親のせいで、
絶対に優勝しなきゃいけない、勝たない子は父親に嫌われるから出場が怖い、と言い出した孫に、祖父が
「本当の負け犬は勝負を挑まない者のことを言うんだ!」
といった箇所などはさすが年の功、いいことおっしゃるわ!!とにんまりしました。
その他にも思い通りいいかないことばかりで、人間生きていくことは楽じゃない、人生はハードだからこそ常に挑戦しつつ、失敗があっても支えあって生きることに意味があるのだ、というメッセージを強く感じました。
いろいろあるからこそ絆が深まるり、知ることができます。
かっこつけない等身大の生き方とは、と考えさせられました。