「EAT PRAY LOVE」原作は700万部を超えるベストセラーだそう。
ニューヨーカーのジャーナリストの30代女性が理解あるパートナーと結婚し、仕事も順調。
だけど自分には何か足りない、本当の私って何?という気持ちから、
誰かや何かを待つだけの人生をやり直したい、という衝動を抑えきれず一方的な離婚、そして仕事も一年間休職し、イタリア、インド、バリと自分探しの旅に出る・・・という自伝的小説がベースの作品です。
待っている自分から脱したいといいつつ、別居後に付き合い始めた年下の彼が変わらないことでぶつかり、
自分探しで行ったイタリアでも英語が通じる居心地のいい仲間とつるみ、美味しいものを食べ幸せいっぱいの気持ちのまま「今を楽しむことが一番!」と幸せ気分に浸りつつ、
その延長で瞑想の修業のためと行ったインドでは雑念が払えず、
結局は同じ道場で修行するアメリカ人の男性に諭され、またアメリカ的思考のインド女性としか関わらず、
バリでは瞑想の師匠にお世話になり、心の平和を求めつつも結局バリ在住のブラジル人男性と恋に落ちて・・・・
と、自分探しはどこへやら??本能赴くままの内容なのですが、まあ、それは映画なのでいいとして(爆)
主人公の彼女の(あくまでも映画で描かれている設定だけで考えると)
人が変われば、場所が変われば何かが変わるという依存心。
けれども結局は自分のスタイルは変えず、居心地のいい場所や人に依存ばかりして周りの環境が変わっただけで、その都度幸せな気持ちにはなれても、一過性のものなので後には何も変わらない自分がいるだけ。
自分は変わらず、誰かに変えてもらおうとすることが根本なので、周りに集まる人も波長よろしくで、何かに、誰かに自分を変えてもらおうとする人ばかりなので、何せ自分の都合、自分の幸せが優先(笑)
自分が好き、はとてもいいことだけれども、自分大好き!だけから脱することが大事なのですが・・・。
自分が好き→こんなはずではない→もっと自分らしくなりたい、を感情だけで考えるのではなく、きちんと分かり合う努力をしないからこんな自分なのではないか?どこか満たされないのは心が通いあわないからではないか?ということが理性で見えてくれば、なにも全てをリセットする必要はないわけですよね〜。
パートナーとの関係をスムーズにするためには自分と同じくらい相手のことも大切、この気持ちになれるかどうか、絆を作る分かり合うための努力を怠っているのではないか、ということに気づくかどうか?
ここがこの先の大きな分かれ目になる訳です。
自分だけを大事に思う気持ちから脱して相手を大事に思えない限り、自分だけを大事に思う相手としか出会えない。
これが波長の素晴らしくもあり、恐ろしいところ。
このままでは今だけ幸せならいい、の繰り返しで、いつまでも本当に幸せになれない人の見本のようになってしまいます。
全ての出来事は自分を映す鏡、なわけですね。
なので、自分が変わること、何を変えるのかを理性で判断すること、が大事なわけです。
勿論、旅行をしつつ、ここに気付けば理想的なのですが。
何とも本能的な題名なので、期待はしていなかったけど、出演者はみんな素敵だっただけに、ちょっと残念・・・の作品でした。
けれども南イタリアの街並みや風景の美しさやインド、バリをプチ旅行した気分に浸るにはいい映画!